誰よりも早く好意を自覚していた。ガキの頃から飯事に付き合わされて、よく旦那の役を命じられていたから。誰よりも目で追いかけていた。年頃になったお前の体付きが女っぽくなっていくから。誰よりも強く感情を揺さぶられた。野郎と話し込んでいる様子を見て、独占欲が溢れ出したから。誰よりも先に想いを伝えた。誰かのものになる前に、オレのものにしたかったから。誰よりも同じ時間を過ごした。ずっと傍に居て欲しかったから。誰よりもたくさん痴態を暴いてやった。お前のことで知らないことがないようにしたから。誰よりも幸せにできる自信があった。お前の存在がオレを幸せにしてくれるから。
　それなのに。お前が好きなのは、なんでオレじゃないんだろうな。お前はオレの中では誰よりも一番だったのに、お前の中では一番じゃなかった。
　でも、絶対に離れてやらねえ。オレたちは死に別れても一緒だからな。

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意思の言い訳は運命

write：2022/03/29

edit  ：2022/03/31

words by icca

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