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Arceus
昔から格好良い方だとは思っていた。だから今も、目を合わせることが出来ない。遠くからこっそり眺めているのがやっと。「もっとこっち寄れよ」そう腰を抱き寄せられて、艶やかな琥珀色の瞳が近付く。わたしを真っ直ぐ射抜いて、満足そうな甘い笑顔を浮かべるから、わたしはいつまでも惑わされていた。
顔を近付けると、あたふたと目が躍る様子がいじらしかった。よほどオレの顔が好きなのか、いつも顔を背けられちまうから、最近は否応無しに近寄る。婚前の娘を誑かして、なんて誰かに言われたが、オレの嫁にするんだから関係ねえ。これから親の顔より合わせることになる男に慣れてもらわねえとな。
熱い視線を注いで三分
write:2022/02/25
edit :2022/03/19
words by icca
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