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​2021/10/09

※140SS​

​※某方の呟きより

 誰かが介抱されているのを見ると、羨ましく想うほどには下心があった。酔ったフリをして、わざとらしく肩にもたれかかる。いつもなら跳ね除けてくる手は、頭を撫でるように髪を梳いてくれた。「あんな強いの飲むからだよ」わたしを窘める語尾も柔らかい。今なら一夜の願いも叶えてくれるかしら。

write:2021/10/09

edit  :2021/11/04

 誰かに介抱されている姿を見ると、その無防備に付け入りたくなった。平衡感覚を失いかけている彼女に肩を貸せば、甘えるように身を委ねてくれる。高飛車な性格から、酔ってしおらしくなる様子は嫌いじゃない。「強いのが飲みたかったんだもん」熱帯びた眼差しに縋られるまま、入り乱れちまいますか。

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