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​2021/07/29

※140SS​

​※某方の呟きより

 酒でほど良くとろけた彼女の表情に胸が締め付けられ、つい顔を近づけ過ぎてしまった。直前で押し退けてくれたから未遂に終わり、周囲もおれたちの些細な行動に気が付いていない様子。おれとしたことが。反省した瞬間「…家に帰ったら、ね」という囁きに、すぐさま彼女の腕を掴んで家に連れて帰った。

write:2021/07/29

edit  :​2021/08/04

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 熱帯びた瞳が間近にあって、思わず顔を押し退けた。彼も我に返ったようで、誤魔化すように姿勢を正す。誰もこっちを見てない時で良かった。珍しい失態を起こすものだから、少しだけドキドキする。「…家に帰ったら、ね」そう囁いたら、すぐさま腕を掴まれて帰路に連れ出されたのは言うまでもない。

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