生きづらい。
こちらは非公式の短編ネームレス夢サイトです。
公式である原作会社および関係者様とは一切関係ございません。
“夢小説”という言葉を知らない、または得意ではない方は、このブラウザを閉じられますようお願い致します。
最低限の同人マナー、ネットマナー、対人マナーをお守りの上、公共の場でのご閲覧を避け、個人の範疇でお楽しみください。
内容によっては年齢制限や倫理観ゼロな作品もございます。
注意書きはありますが、一個人基準であることをご了承ください。
また、読了後の苦情はお受け致しかねます。
以上を踏まえ、許容範囲が大変寛大な方のみ下記の画像からお進みくださいませ。
2020/11/15
※祝う気持ちがあるのか分からないアニバーサリー記念のネズ夢
因果応報、という言葉がある。やったら、やり返される。寝取ったら、寝取られる。最愛の人を亡くしたという彼女を堕とすのは簡単だった。空いた心の隙間につけ込んで優しくしてやれば、転がり落ちてくるように胸に収まる。寂しそうに泣き喘ぐ彼女には、もうおれしかいない。このまま抱き竦めて、ずっとおれの腕の中に閉じ込めておけると、彼女の記憶を書き換えられると、そう信じていた。だが、実際どうだろう。気付けば彼女はおれの腕の中から抜け出して、あろうことがおれではない他の男を追っていた。その影はかつて、憎くて憎くて仕方が無かった奴に似ている。彼女がそれに手を伸ばす前に連れ戻せば、影は無情に霧散し、似ても似つかない人物へと変わり果てた。それを目にする度に彼女は絶望し、おれの腕の中で泣きじゃくった。ずっと前から、その目にはおれを一切映していないことは知っている。傍に居るのはおれなのに、求めている影はおれじゃない。無性に腹が立って無理矢理にでも向けさせようと、一際躍起になっていた。時には感情のままに組み敷いて、しかし彼女はおれに向くことはなかった。彼女の身体に上書きが効かないほど刻み込まれた記憶が、おれを拒んでいる。それでも彼女は、影を追い求めるようにおれの腕の中に収まった。所詮、おれじゃなくても良いんだ。彼女の身体を包み込み、受け止めてくれる存在であれば、誰だって構わない。そうして、おれにはどうしようも無くなって、非力な己に打ちひしがれた時に、おれたちには元から因果なんて無く、今後おれが彼女の心の隙間に入る余地がないことを、思い知らされるのだった。
write:2020/11/15
edit :2021/02/06