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​2020/10/09

※首絞めックス140SS​

 

 わたしの首を絞めるネズの手は、どんなに暴れたってしぶとく絡み付く。身体を抱き締める腕は、身をよじれば解けるほど儚いと言うのに。内臓を容赦なく穿つ振動に、全身が痙攣を分かち合う。このままトんで逝きたいのに、ネズは手を緩めてしまうから、わたしは未だにエスセティックな死へ羽ばたけずにいた。

 体を重ねる時、決まって彼女の首を絞める。希死念慮の強い彼女が望む死に一番近いものらしい。おれの細腕に全体重を乗せて締めれば、か弱い声で喘ぐように激昂が全身を駆け巡る。だからと言って、彼女を死へ手放すことはしない。トぶ寸前に翼を落として、プラグマチックな生に閉じ込めて飼い殺しにした。

aesthetic <> pragmatic

write:2020/09/10

edit  :2021/02/09

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