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​2020/09/07

※140SS​

 あいつは良くも悪くも正直だ。​だからきっと、向けられた好意にただ感謝しただけ。「嘘でもいいから、もっと言葉が欲しかった」隣で泣き喚く女は、行き場のない感情を酒で押し流す。現実を受け入れず嘘に惹かれ酔う姿は、羨むほど愚かで憎いほど恋しい。おれも無我夢中になれたら、どんなに良かったか。

write:2020/09/07

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