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​2019/12/08

※140SS​

 前から隣に居るのが当たり前だと、信じていた。おれより弱虫なおまえだから、こちらから胸の内を曝け出したというのに。閉じられる目が癪に障る。その自信の無さで、おれの想いまでも無かったことにするな。「おまえ、いい加減自惚れやがれよ」両想いなのに、どうして通じ合えねぇんですかね。

write:2019/12/08

edit  :2020/08/01

 想えば想うほど、自分には似合わない人なんだと、溶けて消えてしまいたくなる。名前を呼ばれる度に、優しく触れられる度に、愛の言葉を貰う度に、翡翠の双眸に見つめられる度に、まるでシンデレラになった気分で落ち着かない。わたしは苦しくて、目を閉じた。片想いの夢なら、醒めることもないのに。

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